マンションの相続時ルールが正式に変更に
2024年1月以降の相続発生分から適用
去る10月6日、分譲マンションの相続税の固定資産評価額の新算出法(居住用の区分所有財産の評価)についての法令解釈を国税庁が各国税局、国税事務所に通達したことが公表されました。
新算出法は2024年1月以降に相続で取得された物件から適用されていくとの事ですので、
もうあと2か月後です!
これは、いわゆる「マンション節税」を抑止する事が目的の通達です。
以前にも当コラムで、討議がされている事はお伝えさせて頂きましたが、ついに(予定通りに)正式にスタートとなりました。
通常、相続税評価の基準になる「路線価」は市場価格の80%程度になるような設定が為されていますが、土地・戸建の相続の場合などの実態としては60%前後です。マンションにおいても今回の新ルールでは、この水準になるような調整が行われる事になるようです。
私が主にお手伝いさせて頂いている都心部や城南エリアなどは、土地の流通価格が非常に高騰しておりますので、前述の60%どころではなく、路線価が実勢価格の50%以下。というエリアも珍しくありません。
以前、タワーマンションのお部屋を複数所有されているお客様から夫々のお部屋の相続時の評価額について、調べてほしいという依頼が有った際にお調べしたことが有りますが、港区の3A地域(赤坂、青山、麻布)のタワーマンションですと概ね市場価格の30%前後だったと記憶しています。
この30%前後の水準だったものがいくつかの指標の元に60%まで引き上げられる事になりますと、
タワーマンションで節税を計っていた方にとっては、相続対策を一から練り直すなどをお考えになる方も少なくないと思います。
また、価格が高水準で維持されている都心のタワーマンションですが、今後、価格への影響がどう出て来るのかも注視すべきかと思っております。