不動産売却基礎の基礎②(買取)

買取なら仲介手数料がかからないからお得?

ご自宅の売却を考え始めた時に、査定を依頼した不動産会社から「自社で買い取ります。買取なら仲介手数料もかからないのでお得ですよ。」等の営業トークをされ、本当にその方がお得かのように信じてしまいかかっているお客様と何度か遭遇したことが有ります。

結論から申し上げますと、全てでは有りませんが大概の場合は買取の方が仲介で一般に販売する価格よりも安くなります。

仕組みは至ってシンプルで、不動産会社は買い取った後、そのまま保有し続ける事はありません。買い取ったら、マンションならリフォームしてリフォームした分の価値を上乗せした価格設定で販売をします。戸建ならばマンション同様リフォームをして再度販売するか、解体して、新築を再建築して建売として販売、商業性が有ったり賃貸需要の見込める立地でしたらアパートか一棟マンションを建てて販売します。

そして当然ですが、再度販売する価格は「①市場価格=一般のお客様から見た相場の価格」ですが、ただ、その価格の中には

「②元の売主様から購入した金額」「③その時にかかった経費」「④売るのにかかったコスト」そして「⑤販売して得たい利益」

が内包されています。つまり、買取価格は「①ー③ー④ー⑤ = ②」なのです。

ですので、買取価格は一般販売するよりも、③+④+⑤ の合計分安くなるという事です。

買取でも一社だけで決めない方が良い

「多少安くなったとしても、普通に売るのは面倒だし、いつ売れるか分からないし、近所中に知られるのも嫌だし、もうそれで決めてしまおう。」と仮に思われたとしても、一旦歩みを止めて、複数社から買取価格の提案を受ける方向で考えた方が宜しいかと思います。

不動産会社が買い取った後でリフォームをして販売できる価格は「市場の相場」というものが有りますので、不動産会社によってそれほどの乖離が無い場合が多いですが、前述の④と⑤は、会社によってまちまちです。安く工事を請け負ってくれる下請けさんを抱えていれば、売るときのコストは低くて済みますし、また、どの程度の利益を上乗せするのかは、会社毎の経営方針や時期(例えば決算月なのでとにかく剥離でも買い取りたい、など)によってまちまちです。

査定を依頼したはずなのに自社買取に拘る不動産会社がいたとしたら、お客様利益以外のところで何らかの理由が有ると思っても良いかもしれません。

買取の方が良い場合

ただし、そうは言っても買取の方が良い、売主様の為、というケースも有り、これについて売主様が無自覚で合ったり現状認識をなかなかご理解頂けなかったりしますと、販売長期化の原因になる事もございます。それは、

①お部屋の中が散らかり放題の場合や物や家具が多すぎて、一般のお客様をお連れしても印象が悪すぎる場合

②郊外の駅から歩けない、ニュータウンなどの分譲地でも無い立地で中古戸建のニーズが極端に低く、新品(建売かリフォーム済み物件)でないと買い手が付かないようなマーケットの場合

です。何れも売主様への説明に苦慮するケースが少なくないのが実態です。

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