オンライン接客について
住宅取得の過程でのインターネット活用状況
少し前になりますが、4月26日に発表された
国交省の22年度住宅市場動向調査によりますと、
住宅取得過程のインターネット活用状況は、
「情報収集」と回答した割合が最も高い結果になっていました。
新築マンションにしろ、中古戸建、注文住宅や賃貸住宅等全てにおいて
ネット活用は情報収集・問合せまでがメインで、
zoomなどの「オンライン会議システムを活用した物件説明・商談」の利用(表・ピンク色)
は低水準にとどまっているようです。
不動産業界は、電子契約が法的にOKになり、急激にDX可が推進されていますが、
では、いよいよ最終的な意思決定の大詰めの打合せ、または、真剣に今後の方針を
決めて行きたい状況下で不動産会社の説明を聞く場合等は、やはり直接会って
面前でお話をする、というのがより安心感を得られる方がまだまだ圧倒的に多いという事かと思います。
ZOOMでもよいこと、ZOOMでないほうがよいこと
私自身昨年まで社員数約5,000人の会社の現場(店舗)の責任者を担わされておりましたので、
オンラインでの社内会議、海外在住のお客様や国内でも容易に行き来できる
距離にいないお客様との打ち合わせ等、幾度となくオンラインで打合せをして参りました。
さらに、開業後も、様々な関連サービスを提供する業者の方とも無数にZOOMでの
打合せをさせて頂いて来ましたが、その中で一不動産屋として気付いたことは
「まずは相手への信頼感が根底に無ければZOOMだけで打合せの相手に心からの信頼感を寄せるのは無理。」
という事です。(※あくまでも個人の意見です。)
ZOOMミーティングは、相対するミーティングに比べ、自然と「本題のみ」の時間を過ごす事になります。
多忙なビジネスマンにとっては、とても効率が良く(移動時間が無い事も含め)消化する業務量も
自ずと増えて参りますが、そこはシンプルな機能だけの世界に感じます。
一方、相対するミーティングでは、あいさつ代わりのちょっとした前振り話や、しぐさ、持ち物等から
話が横道にそれる事も暫しあり、ただ、逆にその横道にそれたことで相手の人となりが分かったり、
実は何かしらのご縁の有る方であることが判明したり、笑いが生まれ親近感が生まれる。
といった事が起こります。
多額のお金が動く不動産関係のお話、特にビジネスとして不動産に携わっている訳では無い一般の方に
とっては、法律に専門用語、業界の慣習や何やらが全て普段の生活では触れていないことだらけですので、
託す相手との信頼関係は非常に大事ですが、今回のアンケート結果からは、
その信頼関係を築くことができる人物であり会社であるのかを見極めるには、
やはり、ZOOMだけでは無理というご判断を自然とされているように思います。
世代が変われば、この割合はまた変化してくるかとは思いますが、
やはり大切なのは、人としての信頼関係。これに尽きるのではないかと思った次第です。