空き家を貸す時の注意点
目先の家賃だけで決めては絶対ダメです
相続、海外や地方への転勤、住み替えるけれど売らなくても買える場合等で空き家を売るか貸すか悩んだ時、
「売ると意外と安いみたいだし、結構いい家賃取れそうだから貸しておくか。」
と賃貸を選択する方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも、見落とさないようにしてほしい大事な事が2つ有ります。
絶対に抑えるべきポイント① いつでも出て行って頂ける訳では無い
普通賃貸借契約契約の場合、大家さんの都合で賃借人退去をさせることは原則できないという事です。
契約を2年契約にしたとしても2年後に、退去させるのには正当な理由が必要です。この場合の正当な理由とは、
「出ていってくれないと大家さんが住む家がない。」
「老朽化が激しくいつ倒壊してもおかしくない」
レベルのもので、
「売ったお金で新居を買いたいんだけど。」
では、まず無理です。
ただし、定期賃貸借契約という、契約期限で必ず退去して頂ける契約も有ります。この場合は契約期間にもよりますが、普通賃貸借契約の概ね80%程度の賃料になる場合が多いようです。安くはなりますが確実に契約期間で明け渡して貰うには、この方法しか有りません。
絶対に抑えるべきポイント② 貸したままではなかなか売れない
余程の好立地、滅多に出ないプレミアム物件でない限り、賃貸中の一戸建てやファミリータイプのマンションを売るのは難しい。という事です。特に郊外の場合は駅前立地や余程の高利回り物件等で無ければ、エリアによっては「売るのは無理」と断言しても良いくらいです。
賃貸中のマンションや一戸建て(オーナーチェンジといいます。)は、家賃を得るために購入するもの、いわゆる金融商品という事になりますので、自己使用できる物件とは、買い手が全く変わって来ます。この場合、買い手になるのは投資家さんです。
投資家さんですから、そこにお金を投下して最終的に利益を生めるものにしかお金は出しません。
月々に家賃が幾ら入ってきて、経費は幾らかかる。5年後又は10年後に売ったとしてトータルでこのくらいの利益が見込める。土地のブランド力で新規で募集してもすぐに次の借り手が付く筈だ。
等、全てをお金に換算して見込みの収支を計算し、儲かるものにしか手は出しません。
ですので、
相場がどんどん下がっているエリア。
土地の知名度が低く、同じ県内でもどこに有るのか説明しないと分からない人が多いエリア。
たまたま今は借り手がいるが新規募集になったときには、厳しい展開が予想されるエリア。
等であった場合は、投資家さんは基本的には購入検討の対象には致しません。
以上をご参照頂いて、貸すのに不適と思われるエリアと思われる場合には、やはり売却を最優先にお考えいただくことをお勧めいたします。私自身、都心で12年、郊外で12年のキャリアがございますので、ある程度俯瞰したご助言は差し上げられるかと思っております。
「うちの場合、どうなの?」
気になる方は、お気軽にご相談頂けますと幸いです。