速やかに相続登記をしなかったケース
不動産をすぐに現金化できなくなります
「所有している不動産を2か月以内に現金化したい。」というご依頼を先日頂きました。物件は人気のエリアで価格設定を間違えなければお客様のご希望の期間内での売却も可能に思えましたが、登記情報を取得致しましたところ、かなり前に亡くなったと伺っているお父様との共有名義。相続登記が絡みますのでまずは、法定相続か分割協議での相続なのかを確認したところ、分割協議済みで協議書も作成済みとのことでしたので、書類を拝見する為にお客様とお会いさせて頂きました。
遺産分割協議書を拝見したところ、当時お母様とご本人含めたご兄弟で分割協議をきちんと整えておられましたが、その後お母様も他界されている点と、土地の持ち分の記載が漏れている事が分かりました。
土地の持ち分の記載漏れについては、やりようはありますが、更にもう1点、当時の印鑑証明書が手元に無い。との事。
遺産分割協議書は実印で捺印のうえ、押印した印鑑が実印で有る事の証として印鑑証明書を添付致します。
印鑑証明書の添付が無ければ、捺印が実印という事が証明できず、遺産分割協議書自体を再度作りなおす必要が出てきてしまいますので、あらためて、家の中を隅々まで探してみてもらう事に致しました。
数日後、お客様から「印鑑証明書ありました!」とメールを頂き、本件は無事に手続きを進められることになりましたが、相続登記を放置して長期間経過致しますと、このような事態も招くことになります。
来年4月から、いよいよ相続登記の義務化となりますが、放置されている方は、早めに手続きに着手される事をお勧めいたします。